約1年Clubhouseを利用し続けて

この記事は、『はんドンクラブ Advent Calendar 2021』4日目の記事です。


もはや、Clubhouseについて今更まとめを書く人も中々現れないだろうと思ったので、この機会に自分の体験を元に綴ってみた。

 

2021年突然バズってあっという間に話題から消えたサービス

コロナウイルスの猛威が1年では治まらず、withコロナの生活スタイルが続く中、日本でも2021年1月からサービスがスタートした「Clubhouse」

日本では例を見ない、音声SNSということで2月頃にはテレビなどのメディアでも取り上げられたが、あっという間に世間からは忘れ去られた。

 

そんなClubhouseだが、個人的には今も利用し続けている。

続けている理由として個人的に至ったのは、『楽しいを共有できる場』がここにある、ということ。

 

withコロナの2021年、一年の始まりに出会い利用し続けた結果思ったことを、折角なのでチラ裏的にはなるが、まとめようと思う。

 

今いる利用者って何してるの?

日本にやってきた当初に登録して、そしてすぐに離れていった人にとって最も疑問に思うところは、音声だけのコミュニケーションで長々と今も何してるの?っというところがあると思う。

実際のところ今の利用者は、やはり会話でのコミュニケーションをうまく利用して、日々情報交換や、たまたま出会った人でできたコミュニティでのコミュニケーションが続いている人たちが多いと思われる。

 

日本でのサービス開始時は、各業界のアルファな人やインフルエンサー的な人、または業界トップレベルの著名人など様々な人がお試しとしてルームを開いていた。

業界のトップレベルの人と会話できる機会なんてそうそうないことだったが、Clubhouse上ではそういう人たちと会話する事もでき、またその人達の講演会なんかで聴くような話を、無料で聴くこともできるということで、しっかりウォッチしなければ損をするのでは?と思われるぐらいのインパクトがあった。

 

しかし、いかんせん当時のClubhouseにはマネタイズできるような機能が一切なく、それこそセミナーやらを開けば収益が十分出るレベルの人達にとって、Clubhouseで話すことは特にメリットはなかったと思われる。

それどころか、録音や情報の持ち出し禁止というルールはあれど、不特定多数に聞かれるというリスクのほうが大きかったと思われる。

 

なので、そういった人たちが離れていくに連れ、著名人の話を聞いたり会話できると思っていたい人たちが一緒に離れていったとのではないかと思われる。

その上で、招待制という枷のせいで、ユーザーが伸び悩むということにもなったのではないかと思う。

 

具体的な利用者の例

さて、そんな状態になったClubhouseだが今の実際の利用例はどうだろうか?

Clubhouseではそれぞれ「ルーム」という単位で会話するための部屋を作ることができるが、実際今活発に行われているルームはというと、

 

  • 同業者でのルーム
  • 特定のテーマに基づいて定期開催されるルーム
  • 部活的にCluchouseで活動を続けるルーム

などがわかりやすところではないだろうか。

 

同業者でのルームは、情報交換というよりは自宅での作業が多いクリエイターが雑談しながらお互い作業する、作業部屋なんかがあったりする。

アート活動や、漫画家など、手を使って作業する人にとって、作業のじゃまにならず会話でコミュニケーションを取れるというメリットが受け入れられたのではないだろうか。

もともと、SkypeやDiscordで同様のことをやっている人たちはいるようだが、Clubhouseで知り合いがふらっと入れるぐらいの気軽さが合う人達は、今も使い続けているように見える。

 

特定のテーマ、部活的に活動をしているルームはそれぞれ似ているところがあるが、ともに何かしらのテーマや題材についてトークをしていたり、何かしら活動を行っている。

 

トークはともかく、音声のみの活動で何ができるかというと、それは音声に特化したまさに部活、『朗読』や『読み合わせ』、『音楽』である。

音声を使ったコンテンツはプラットフォームにもマッチし、今でも部活的な活動が行われている。声優が読み合わせ練習をしたり、ミュージシャンが一緒に曲作り、そんなことも実際行われたりしている。

ただ、一人で演奏や朗読する程度なら問題はないが、複数人で行う場合問題となるのが通信による遅延。

これが0コンマ数秒程度でも成り立たないのが、『間』であったり『合奏』でのズレである。

それを解決すべく、一部の利用者はYAMAHAが提供するSYNCROOM(シンクルーム)を併用し、セッションはSYNCROOMで行いその音声をClubhouseに流すなどの工夫で活動をしている。

 

音声で共に楽しむ

このように、音声に特化して共に楽しむ人達が、コアに残り続ける人たちが主な利用者となるだろう。

そんな中で他のライブ配信コンテンツと異なるところが、やはりオーディエンスも音声で参加できる、ということだと思われる。

今のClubhouseは、テキストでのDM機能も実装されているが、ルーム全体に見えるチャット機能は搭載されていない。ルーム全体で発信するなら、音声で参加するしかないのである。

なので、参加してしまえばオーディエンスも発信者となるゆえ、意外なほどにルームの主催側とオーディエンスの垣根が低く、一体となって楽しめるという部分があるのだろう。

その他の配信プラットフォームは、基本、視聴者はテキストチャットでの参加が主体にになるので、このあたりが一番大きな違いだろう。

 

そんな音声プラットフォームで自分自身がどう楽しんでいるか

では、そんな場で、音声の表現者でも何でもない自分自身がどう楽しんでいるか?というと、まずはラジオ的に聴いていられるコンテンツであると言うのが大きなところだと思う。

もちろん、それだけれあれば先程挙げた誰でもオーディエンスでの参加という意味はないが、まずはラジオ感覚で接することができるというのは個人的に大きな要素だと思っている。

その上で、質問ができる状況であれば会話でやり取りができるし、ツッコミを入れたければスピーカーになり、思ったことを会話でやり取りできるので、そのコミュニケーションも十分楽しめている。

そんな事が気軽にできるようになったのは、ビデオ会議が普及したおかげで、対面ではなくオンライン上での会話が当たり前になったという部分が大きく影響していると思う。

その下地がなければ、到底簡単にはできていなかっただろうと、そう実感している。

 

また、会話以外の要素でも楽しめているコンテンツが存在している。

 

音声パフォーマーの生ライブとの出会い

会話以外の要素として、Clubhouse上で生のセッションライブを行っているルームとの出会いがあった。

そのルームを開催しているクラブが『Clubhouse LIVE Performers Street』

www.clubhouse.com

syncroom.yamaha.com

コロナ禍で集まった、ミュージシャンや役者、声優など音声を生業としたアーティストが、集まって生まれた集団である。

このメンバーによって、お昼にSYNCROOMを利用した生セッションを、あたかも路上ライブのように開催されている。

このルームに出会ったのは、Clubhouseを利用していて一番大きな衝撃を受けた出来事に思う。

何に衝撃を受けたかというと、最初はオンラインでセッションが出来ているということであったが、今となっては演者だけでなく、観客もスピーカーに招き入れ、演奏後には観客の拍手が聞こえてくる、そんなオンライン上の空間を作り上げてるというところである。

これは他のオンラインライブにはない、音声プラットフォームならではだと思われる。

 

ただ、ここに集まるメンバーは、やはりコロナ禍でイベントの中止が続き、生の現場が激減した中で、無料でもパフォーマンスをしても良いと思った人が集まって生まれた場。

2021年末の今、日本では感染状況もひとまず落ち着きを見せ、自粛の反動もありリアルイベントもどんどん企画が進んでいる。

となると、このような無料で行うパフォーマンスは厳しくなるのではないだろうか。

それはクラブ内でも懸念されていた。

それでも、活動自体を有意義に感じる演者も複数いるので、有料の配信ライブを行ったりオンラインサロンを用意したりと、少しでも活動費が発生するような試みもしつつ、引き続き無料のライブも行い続けている。

やはり、原点は楽しいというところがあるのだろう。

 

テキストと音声での大きな違い

そんなClubhouseだが、テキストベースのコミュニケーションと音声でのコミュニケーションの大きな違いとして、Clubhouse上で会話して知り合った人と実際にあった際に、他のSNSよりも『はじめまして』という感じが薄いということ。

これは仕事でも良くあることだが、メールでのやり取りしかしていない人より、電話でもコミュニケーションをとっている人と初めてあった際に感じる印象と同じなのではないか。

やはり、実際の声を聞いているというのは大きな違いなのだろう。

 

最後に

今後、このプラットフォームが今後、日本でどう転がるのかというところだが、やはりマネタイズというところがネックにはなるだろうと思われる。

その部分がうまく行かない限り、今以上の変化は起こらないだろうし、生活の様式がコロナ前に近づけば、リアルタイム性を求められるプラットフォームは接する時間がより限られてくるだろうと、そう思う。

実際、マネタイズという意味ではやはりYouTube、Twitch、17liveなどに移動しているユーザーも多い。

そして、リアルタイムが難しくなればアーカイブが気軽に聞けるプラットフォームや、テキストチャットで参加できるプラットフォームのほうがありがたい場面もある。

 

日本では既に存在が薄れたプラットフォームだが、日本でまた一般に認識されるのは、よほど大きなきっかけでもないとなかなか難しいだろうと、そう印象を持っている。